【開催レポート】株式会社M&Aベストパートナーズ 齋藤 達雄氏を迎え、IFA向け勉強会を開催しました

2026年7月23日、Club IFAでは、会員同士の交流と知見の深化を目的としたIFA向け特別セミナーを開催しました。

今回は、株式会社M&Aベストパートナーズ 代表取締役社長の齋藤達雄氏を講師にお迎えし、M&A市場の現状や企業売却後のオーナーが抱える悩み、資産運用ニーズが生まれるタイミング、M&Aアドバイザーから紹介されるIFAの共通点などについてご講演いただきました。

当日は、会場21名、オンライン13名の合計34名のClub IFA会員の皆さまにご参加いただきました。株式会社M&Aベストパートナーズからも現役のM&Aアドバイザー7名にご参加いただき、講演後の交流会まで含め、実務的な学びと新たな連携につながる機会となりました。

開催概要

開催日2026年7月23日(木)
テーマM&A仲介のプロに聞く〜オーナー経営者への最適なアプローチ〜
登壇者株式会社M&Aベストパートナーズ
齋藤 達雄氏
開催形式会場・オンライン
参加者Club IFA会員34名(会場21名、オンライン13名)
株式会社M&AベストパートナーズのM&Aアドバイザー7名

拡大を続けるM&A市場と売却企業を取り巻く環境

講演では、近年のM&A市場において買い手となる企業や投資家が増加し、売却を検討する経営者にとって選択肢が広がっていることが解説されました。

従来は、上場企業や大手企業が主な買い手となっていましたが、現在では未上場企業、投資ファンド、サーチファンド、個人投資家なども企業買収に参加しています。

買い手候補が増えたことで、同程度の利益を上げている企業であっても、以前より高い金額で売却できるケースが見られるなど、売り手にとって比較的有利な市場環境が続いているとの見方が共有されました。

一方で、すべての業界が同じように評価されているわけではありません。AIの普及や金利環境の変化などを背景に、業界ごとの評価や買収ニーズには違いが生じています。

例えば、SES業界では、将来的にAIが一部の業務を代替する可能性を踏まえ、買い手が慎重になる場面が見られる一方、人材不足や公共工事の需要が続く建設業界では、引き続き買収ニーズが強いことが紹介されました。

企業売却後に顕在化する「収入」への不安

企業売却によって多額の資金を得たとしても、オーナー経営者が必ずしも経済的な安心を感じるとは限りません。

特に、売却前に高額な役員報酬を受け取っていた経営者にとっては、M&A後に毎月の収入が減少することが大きな不安となります。

保有する資産の総額は増えても、これまで受け取っていた定期的な収入がなくなることで、「今後の生活費をどのように確保するのか」「資産を大きく減らさずに生活できるのか」といった悩みが生まれます。

講演では、売却によって減少する役員報酬を、債券などから得られる利息収入によって補う資産運用プランを提示した事例が紹介されました。

売却後の生活を具体的にイメージできるようになったことでオーナーの不安が軽減され、M&Aの意思決定を後押しする結果につながったとのことです。

M&A後の資産運用は、単に売却資金をさらに増やすためのものではありません。これまでの生活水準を維持し、安定した収入を確保するための手段としても、重要な役割を果たします。

オーナーの関心から資産運用提案の入口をつくる

企業売却後のオーナーは、大きなリスクを取って資産をさらに増やすことよりも、現在の資産を守ることを重視する傾向があります。

「資産をできるだけ減らしたくない」「子どもや家族に残したい」「現在の生活水準を維持したい」といった相談が多く、安定性を重視した資産運用への関心が高いことが紹介されました。

一方で、不動産や事業投資、ベンチャー企業への投資など、これまでの経営経験や知識を生かせる投資に興味を持つオーナーもいます。

セミナーでは、一般的な金融商品には関心を示していなかった売却オーナーに対し、未上場企業へ投資するファンドを提案した事例が紹介されました。

オーナーの関心と提案内容が合致したことで、最初に5,000万円の投資につながり、その後、信頼関係が深まるなかで、投資信託や債券などにも取引が広がりました。最終的には、数億円規模の資産を任せていただく関係へ発展したとのことです。

最初から画一的な金融商品を提案するのではなく、オーナーの経歴や事業経験、関心を理解し、その方に合った提案の入口を見つけることが、長期的な信頼関係の構築につながります。

M&Aアドバイザーから紹介されるIFAの共通点

M&Aアドバイザーにとって、売却オーナーは、企業の譲渡に向けて長期間にわたり支援してきた大切なお客様です。

そのため、IFAを紹介する際には、金融商品や運用に関する知識だけでなく、安心して任せられる人物か、丁寧な顧客対応ができるかという点が重視されます。

講演では、紹介を受けたIFAが、夜間を含めて繰り返し電話をかけるなどの強引な営業を行い、オーナーから苦情が寄せられた事例も共有されました。

一度こうした問題が起きると、IFA本人だけでなく、紹介したM&Aアドバイザーの信用にも影響します。その結果、その後の紹介が難しくなる可能性もあります。

紹介を受けた直後から短期的な成果を求めるのではなく、まずはオーナーの考えや関心を丁寧に理解し、信頼関係を築く姿勢が求められます。

また、紹介されやすいIFAの特徴として、次のような点が挙げられました。

  • 経歴や専門性を分かりやすく説明できる
  • 問い合わせや相談へのレスポンスが早い
  • 強引な営業を行わない
  • 紹介後の状況を紹介者へ適切に共有できる
  • 金融商品以外の相談にも対応できるネットワークを持っている

「富裕層向けの資産管理に詳しい」「不動産や相続に強い」など、一言で説明できる特徴があると、M&Aアドバイザーからオーナーへ紹介しやすくなります。

金融商品だけでなく、不動産、相続、海外移住、事業投資などの相談に対応できる専門家ネットワークを持っていることも、IFAへの信頼や紹介のしやすさにつながると共有されました。

セミナーのポイント

売却後の「収入」まで見据える

企業売却によって保有資産が増えても、役員報酬の減少によって不安を感じるオーナーは少なくありません。資産総額だけでなく、売却後の生活費や定期収入まで見据えた提案が重要です。

オーナーごとに提案の入口を変える

一般的な金融商品を一律に提案するのではなく、事業投資や不動産など、オーナーの経歴や関心に合った提案の入口を見つけることが、信頼関係の構築につながります。

紹介者の信用まで預かる

M&Aアドバイザーからの紹介には、その担当者が長期間にわたって積み重ねてきた信用も含まれています。強引な営業を避け、丁寧な対応と適切な情報共有を行うことが重要です。

学びと交流の深まる機会に

参加者からは、M&A後のオーナーが抱える具体的な悩みや、資産運用ニーズが生まれるタイミング、M&Aアドバイザーから紹介されるIFAに求められる対応などについて、実務に直結する知見を得られたとの声が寄せられました。

企業売却後の資産運用提案だけでなく、M&Aの検討段階からオーナーの不安を整理し、意思決定を支援するIFAの役割についても理解を深める機会となりました。

講演終了後の交流会では、株式会社M&Aベストパートナーズの現役M&Aアドバイザー7名とClub IFA会員の皆さまが、それぞれの得意分野や活動地域、顧客支援の事例などについて情報交換を行いました。

M&AアドバイザーとIFAが互いの人柄や専門性を知り、今後の連携につながる関係を構築する、学びと交流の機会となりました。

M&AアドバイザーとClub IFA会員による交流会の様子
齋藤達雄氏による講演の様子

まとめ

今回の特別セミナーでは、M&A市場の現状や企業売却後のオーナーが抱える収入への不安、オーナーの関心に合わせた資産運用提案、M&Aアドバイザーから紹介されるIFAに求められる対応など、両者が連携するための幅広い視点が共有されました。

企業売却によって多額の資産を得たオーナーであっても、今後の収入や生活、家族への資産承継など、さまざまな不安や課題を抱えています。

IFAには、金融商品を提案するだけでなく、オーナーの人生や価値観、経営者としての経験を理解し、中長期的な視点から支援することが求められます。

また、M&Aアドバイザーとの連携を継続していくためには、紹介されたオーナーだけでなく、紹介者が築いてきた信用も大切にし、丁寧な対応を積み重ねることが重要です。

Club IFAでは今後も、IFAの皆さまの提案力向上とネットワーク形成を目的に、さまざまなテーマのセミナーやイベントを継続的に開催してまいります。

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