【開催レポート】甲陽興産株式会社 北角 治太氏を迎え、IFA向け勉強会を開催しました

甲陽興産株式会社 代表取締役社長 北角 治太氏(右)とアドバイザーナビ株式会社 代表 平 行秀(左)
講演の様子(右:甲陽興産株式会社 代表取締役社長 北角 治太氏、左:アドバイザーナビ株式会社 代表 平 行秀)

2026年9月30日、Club IFAでは、会社売却を経験し、その後まとまった資産の運用を実際に検討されたオーナー経営者である、甲陽興産株式会社 代表取締役社長の北角 治太氏を講師にお迎えし、IFA向け勉強会を開催しました。

今回のテーマは「オーナー経営者は、金融パートナーを何で選ぶのか」。会社売却に至った背景から、売却後の資産運用、銀行・証券会社・IFAから受けた提案、そして最終的に金融パートナーを選んだ決め手まで、実体験をもとに率直にお話しいただきました。

金融商品の知識や提案内容だけでは見えにくい、「富裕層のお客様が金融機関やアドバイザーをどのように見ているのか」を知る貴重な機会となりました。

開催概要

開催日2026年9月30日(水)
テーマオーナー経営者は、金融パートナーを何で選ぶのか
登壇者甲陽興産株式会社
代表取締役社長 北角 治太 氏
開催形式会場(NATULUCK茅場町)・オンライン
参加者Club IFA会員26名(会場19名、オンライン7名)

会社売却を決断した背景にあった、経営環境と人生観の変化

北角 治太氏は、滋賀県で産業廃棄物処理事業を営む会社に従業員として入社し、その後、株式を取得してオーナー経営者となりました。事業を取り巻く環境が変化し、業界再編が進む中で、会社を単独で成長させ続けるのか、より大きな資本のもとで成長を目指すのかを検討するようになったといいます。

加えて、ご自身の人生観が変化する出来事もあり、経営だけでなく家族や今後の人生に目を向けるようになったことも、会社売却を考える一つのきっかけになったと語られました。

売却価格だけでは決めない。従業員や会社の将来も重要な判断軸に

M&Aの検討では、提示される売却価格だけでなく、「従業員が今後も安心して働けるか」「これまで築いてきた会社の文化を守れるか」といった点も重視されていました。

複数の選択肢を比較する中で、単に高い価格を提示する相手を選ぶのではなく、会社と従業員の将来を含めて判断したというお話は、オーナー経営者との関係構築を考えるうえでも印象的なポイントでした。

約10億円規模の資産を前にしても、「運用するかどうか」から迷っていた

会社売却後、北角 治太氏は約10億円規模の資産について運用を検討することになります。しかし、当初から積極的に運用したいと考えていたわけではありませんでした。

相場の値動きを気にすること自体がストレスになるため、「そもそも運用しなくてもよいのではないか」と考える場面もあったといいます。一方で、まとまった資金をそのまま置いておくのであれば、一定のリターンを得られる方法も検討したいという思いから、金融機関やIFAの話を聞き始めました。

銀行・証券会社・IFA――複数の提案を受けて感じた違い

資産運用を検討する中で、北角 治太氏は銀行、証券会社、複数のIFAから提案を受けました。その際に強く感じたのが、「自分の話をどれだけ聞いてくれるか」という違いでした。

商品説明が中心となり、「売りたい商品が先にあるように感じる」提案では、自分の資産について相談しているにもかかわらず、自分自身の考えや希望が十分に聞かれていないと感じたそうです。

最終的な決め手は「何度でも話を聞いてくれたこと」

最終的に北角 治太氏が資産運用を任せることにしたアドバイザーについて、最も大きな決め手として挙げられたのが、「圧倒的に自分の話を聞いてくれたこと」でした。

当初はさまざまな運用商品の提案があったものの、対話を重ねる中で北角 治太氏の考えを理解し、最終的には国債や社債を中心とした提案へと変化していったといいます。提案する側の都合ではなく、顧客が何を望み、何を避けたいのかを理解したうえで内容を変えていく姿勢に、信頼を感じたと語られました。

金融知識の差よりも、「自分のことを考えてくれている」という信頼

北角 治太氏は、ご自身について「金融商品に詳しいわけではないため、提案内容の優劣を自分だけで判断することは難しい」と率直に話されました。

だからこそ重要だったのが、「この人は自分の人生や資産について、本気で考えてくれている」と感じられるかどうかです。高度な金融知識を持っていることは前提としても、顧客側からその知識の差を見分けることは簡単ではありません。最終的には、何度も話を聞き、考えを理解しようとしてくれる姿勢が信頼につながったといいます。

IFAの強みである「フットワーク」も、実際の行動で示す

IFAについては、担当者が転勤しにくく、長期的な関係を築きやすい点などに魅力を感じていた一方で、実際の選択場面では「フットワーク」も重要だったと振り返られました。

最終的な手続きの段階で、自身が大阪まで足を運ぶ場面があったことに触れ、「もしIFA側がこちらまで来てくれていたら、IFAから始めていた可能性もある」との趣旨のお話もありました。顧客に寄り添う姿勢は、言葉だけではなく具体的な行動として伝わることが重要だと分かります。

オーナー経営者から選ばれるIFAとは

「どのような人であれば資産を任せたいか」という問いに対して、北角 治太氏からは、金融知識を一方的に伝える人よりも、「何がしたいのか」「どうしたいのか」を何度でも聞き、焦らず付き合ってくれる人という趣旨の回答がありました。

オーナー経営者や富裕層への提案では、商品や運用手法を先に提示するのではなく、まず相手の人生観、資産に対する考え方、今後必要となる資金、家族への思いなどを丁寧に把握することが、信頼関係を築く第一歩となります。

セミナーのポイント

会社売却後のオーナー経営者が、必ずしも積極的な資産運用を望んでいるとは限らない

商品提案より先に、顧客が「何をしたいのか」「何を避けたいのか」を聞くことが重要

金融知識の差は顧客から見えにくく、最終的な選択では信頼関係が大きな要素になる

提案内容を顧客の考えに合わせて柔軟に変えられることが、寄り添う姿勢として伝わる

IFAの強みである長期的な関係性やフットワークは、実際の行動で示すことが重要

オーナー経営者の「本音」から学ぶ機会に

今回の勉強会では、金融機関側の視点ではなく、実際に会社を売却し、まとまった資産の運用先を検討したオーナー経営者本人の視点から、「どのような提案がどう見えるのか」「なぜある人には任せず、別の人には任せたのか」を直接伺うことができました。

IFAが富裕層・オーナー経営者との関係を築くうえで、商品知識や提案力だけでなく、傾聴、継続的なコミュニケーション、相手の立場に立った行動がいかに重要かを改めて考える機会となりました。

講演後の交流会の様子
講演後の交流会の様子
交流会で話すアドバイザーナビ株式会社 松岡 隼士
交流会で話すアドバイザーナビ株式会社 松岡 隼士

まとめ

Club IFAでは、IFAの皆様が日々の顧客対応や事業運営に活かせる実践的な学びと、業界内での横のつながりをつくる機会を継続して提供しています。

今回の勉強会は、オーナー経営者が金融パートナーを選ぶ際の「本音」に触れられる貴重な機会となりました。今後も、IFAの皆様の活動に役立つテーマで勉強会・交流会を開催してまいります。

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